お疲れ様です。この前の続き。
味方サイド感想→カリギュラ2 感想
OST発売おめでとう!ブックレットかっこよすぎる。
全体的にすべてネタバレのためご注意ください
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永遠の銀
息を止めて そのままで 命よ 銀に光れ
最初のダンジョン地下鉄駅なのに随分ラスダンみたいな悲壮な音楽流れてる?!とびっくりしました。駅前広場がSINGIでさわやかルンルンだったので尚…。何回うろついても迷子になる駅。ちゃんとピっとしないと改札通れないのが面白かったです。カウンターの概念を思いだすまでレーザーに何度も刺されました。最強のサイボーグ・リグレットの騎士…最強かは分かりませんが、憧れる男子も多いんじゃないでしょうか。
最初は誰か特別な人を失って自分も死にそうなのかなと思っていたので(「嫌だよ 終わるために生まれた 悲劇など」のあたりとか)、マキナ君、別におばあちゃんっ子でもなかったのが意外です。「死」そのものが怖いという分かるようで「誰にもどうにも出来ない」という事実は受け入れ難い。眠れない苦しみ。分かった風な正論が相手を傷つけるのかもしれないと、今なら思います。後悔の「やっと安眠できるようになった」がリドゥは確かに救いだったのだと印象深いです。最終的にマキQを見せられて何?!って感じでしたが、少し子供っぽい喋り方がカワイイので良し。思えば歌詞もちょっと子供っぽいですもんね。
kemuさんは「人生リセットボタン」まで遡らないと馴染みがなく…それだけ遡ったら作風は別物…。と思ったら「Fairytaleじゃいられない」や前作の「Cradle」もでした。作風!って感じが強く押し出されない、癖の少ない方が逆に超プロっぽくないですか…。リグレットは嘆き、絶叫、吐露、怒りあるいは癇癪を載せた感情的な歌声。リミックス版、エラー音みたいなのが後ろで鳴っているのも含め、挙動のおかしい強いメカ感を強烈に感じられながら、感傷的なヴァイオリンでマキナらしさも損なわないのが凄く良くて、お気に入りです。
オルターガーデン
崩れてゆく 音も立てずに
植物園ひっろ…曇ってる…。そして思ったより激しいリズムの第一印象。繰り返し訊いてると段々癖になる、いわゆるスルメ曲だと思います。後半に行くにつれ泣き叫ぶように感情的になる歌声が、最後弱々しく涙声になるのが特徴的。怒り続けられないほど疲れているし、あれだけ大切に思っていたものだったのにという惜しむ気持ちもあるのかも。
「橋姫」御苑(嫉妬で鬼になって髭切に切られたのが宇治の橋姫)な時点で立ち入る前から色々察せるものがあります。マップで位置を確認しながらセーブポイントワープを駆使して因果系譜を埋めました。「茂みの王子様」の中心人物がパンドラの推しなのは有名ですが、この人にWIREで好きな楽士を訊くと「パンドラの曲は印象に残る」的なことを言っていて、正直辛いです。どこまで行ってもすれ違う2人。
本編だけだと狂ったオタクの勝手な言い分としか思えないのですが、再戦後の後悔を見て、灰色の人生に突如差し込んだ光に魅せられて、若い人生をほぼ破滅するまでつぎ込んだ挙句、最悪の裏切り方をされたと知っては見方も変わります。パパ活に手を出し金を工面し、友人に迷惑がられながらライブの席を埋め、彼女の世界をグレーにした親からも見放される有様。「馬鹿らしく思うの」で済まない寂しさと嫉妬、怒り、悲しみ、疲労。そりゃあ御苑で静かに休みたいですよ。というか、休んでほしい。
Ayaseさんといえば今をときめくYOASOBIの「夜に駆ける」「怪物」、「シニカルナイトプラン」、プロセカの「シネマ」など、おしゃれな曲の人です。どの曲も好き。狂って綺麗に響くピアノがそれっぽいです。
スワップアウト
特別だって思ってるよ
プラネタリウムというか宇宙博物館兼お土産屋さんでは?構造の面白いダンジョンです。BGMもノリよく好きなのですが…歌詞は結構虚無ですよね…。特別やスターに憧れ固執するのもある意味信念かも知れませんが、他ほどドロドロして見えない分、逆に薄っぺらさが業の深さを浮き彫りにしています。いやそれでも最後あんな感じになるとは思わないじゃないですか…我々は何を見せられたのか…。
吟の地雷を何がどう踏んだのかはもう一度見返して確かめたい。恐らくですが、「生きているだけで宙ぶらりんで、普通になれず苦しんでいる」吟と、「どうしたって普通なのに天才を気取って宙に浮こうとする」ムーくんではないものねだり(隣の芝生は青い)で、ムー君は吟のトラウマを知らないので余計に噛み合わないからムカつくみたいな…そんなところなんでしょうか。
これもリミックス版が夢見心地から冷めた情感と、地獄みたいな彼の激情が感じられて好きです。若干情緒が不安定な感じがそれっぽい。最後の「特別だって思っているよ」が凄い空しくて悲しそうなのが印象強い。ポリスピカデリーさんは「Cynic」なら聴いたことあります。あと最近プロセカに入ったらしい「BeatEater」もですね。フューチャー…テクノ…何と言うのか分かりませんが、ダンサブルお洒落な曲が素敵です。知れて良かった。
Q愛セニョリータ
スキって! スキって!ほら!あるだけ頂戴!
見た目も中身も声もコンポーザーも全部所謂「地雷系」で揃えたある意味めちゃめちゃ分かりやすい人。現実の本人は特に地雷系でもなんでもない普通の人なので、会話や取引がちゃんと成り立つのがツボ。コンセプトに則られた究極のセルフキャラづくり、清々しくて大好きです。マキナと幸せに…なるのか?!15歳差はQPにとってアリナシどっち…。
とにかく癖になる。学校感まるでないのが逆に面白い。かいりきベアさんがここからなんとなく好きになりまして、今履修中。以前はMARETSUさんカバーの「失敗作少女」と「アルカリレットウセイ」だけ存じてました。「ダーリンダンス」がイチオシです。ある意味魂のシャウトではあるんですが、リグレットの歌い方が比較的終始ぶれずに可愛い感じなのが、逆に山本のキャラづくりの片鱗を見せて、さすがリグレットは「分かってる」なあなどと考えます。本当の意味で理解しているかは謎ですが、解釈は大正解なのがミソ。
Designed desire
一つだけで良かったのに だって もう 足りていない
こんな厳つくて怪しい見た目の医者に普通に掛からないで?!ドクターというか呪術医(シャーマン)みたいになってるじゃん!怖い。ストーリー上の問題なのは分かるけど4階にセーブポイント作って欲しい。初診の時の「夢」のやり取りが知恵比べみたいでお気に入り。
実年齢にビビった…クランケが見た目年齢より幼いと予想していたので、ドクトルの方は見た目より少し上くらいだと思うじゃないですか…。40…。愛だったのかもしれないのに、大切な人の未来を永遠に奪った後悔から何もかもめちゃくちゃになってしまった2人の関係性が好きです。というかこの人はクランケが嘘をついているとは一度も疑わなかったんだな…それってやっぱり妄信的でも愛ですよ。恨まれてるに違いないのに責めてくれないから余計に苦しいのは、クランケがどうとかじゃなくて自分が大切になってしまっているというか。自己愛。カウンセリングが必要な人…脚の治ったクランケとリドゥで時を過ごせていれば少しずつ癒された気がしないでもないのに、噛み合わないのが歯痒い。
「命ばっかり」「フラジール」「ディカディズム」「フィクサー」などのダウナーロックな有名ボカロP。どっちかというと見た目はクランケの曲のイメージだったんですが、ドクトルの落ち込み鬱っぷり、歌詞の無口さはぬゆりさんで正解。「プロトディスコ」が好きです。リグレットの歌い方もかなり淡々としているし、どっちかと言うと病んでるのはドクトルの方。
祈っているだけ
心が今にも張り裂けそうだって それが私の唯一の免罪符だって 今までの天罰なんだ
10歳くらいかと思った…25歳。ドクトルしかいなかった/世界のすべてだから、ではなくてドクトルが好きだからまで思考の整理が出来ているあたり、確かに結構大人な気がします。我儘は些細で、でも飲みこんで手術を受けたら失敗して、どうでもよかったのに愛するドクトルが以前のような笑顔を浮かべない、死にたがっているのに自分がいるから死ねなくて、一緒にいたくても辛いばかりみたいなの、本当に好きです。二進も三進も行かなくなっている。メビウスとも親和性が高そう。
陰鬱な曲ってほどじゃないような…Neruさんの曲は大抵最後まで救われてない感じはまあ、そうかもしれません。見た目ほど幼くも大人しい女の子って訳でもないんですねえ…。昔は「アブストラクト・ナンセンス」「東京テディベア」、今は「potetoになっていく」が好きです。リミックスの疾走感増しも、ヤケになって吹っ切れてきてるクランケっぽくて好き。一番思いだすのは例の高速車椅子ですけど…。まずは車椅子から処分するのが鉄板(味方が轢かれる前に)。
SINGIと2トップで好きな曲なので、オーバークロック曲に設定しています。ピンチの時に、プレイヤブルを吟にして(前回ブログ参照)、「それでも貴方に沿いたくて」が始まるの、マジでエモイので一回やってみて欲しい。葛藤と苦しさ、それでも譲れない願いがある、みたいな。そういうのがどーーーーしても好き。2番あたりから涙交じりの苛立ちシャウト、最後の「願いなのに」で泣いているような歌い方なのがツボ。
ミス・コンダクタ
か か 簡単なことなのさ 頭の中では
Miss conductorとMs.conductor、どっちなんでしょうね。どっちもかな。本来はどっちになりたかった訳でもなさそうです、コンダクターはお父さん。自分は自分の得意なことで手助けしようと思っていた。オーバーサイズの軍服はお父さんのかな~と思ってます。後半に悔しさ?苛立ち?で荒っぽくなる歌声と、衆愚を馬鹿にしたような歌詞、メロディックとは程遠い滑舌を要求される曲全体がもう件のコンプレックスをぶつけまくっていて、かなりしっくり来る。リズムが癖になるし、感情をストレートにぶつけてくるあたり、人気が出るのが分かります。
ツミキさんの曲は元々「アノニマス・ファンファアレ」しか知らず、ミスコンダクタで名前と曲が一致し、今は「フォニイ」が流行っている感じでした。山中Pの見出し力すごい。リミックスになったら超ゆっくりになって歌いやすくなっているのは、素が出ちゃってる(現実に近しくなっている)ってことなんですかね…解釈力が高い。でもそれって件にとっては…悔しい、恥ずべきことなのでは…背伸びしないでぶつかって来てるってことで、彼女なりの誠意…だったりするのか…?すべての要素がしっくり来ている良曲。
XXXX/XX/XX
いくら言葉を重ねても 君の心は動かせない
「その日」
この重苦しい後悔系絶叫ラブソング…どう考えても棗さんじゃないですか…。でも、彼が「後悔をなかったことにする」世界を作る訳がない…というか何でも願いの叶う世界で叶わなかった(上にぶっ壊された)のに、意味のない二番煎じなどする訳ない!と考えていたので、割と最初から偽物説を推してました。さすがに正体が最後まで顔も分からないどうしようもないオッサンで、弄んだ罰だとばかりに男性社員に刺されて終わるとは思いませんでしたけど…。終わり方が小物っぽくて、所詮は棗さんの歪んだ情熱を借りただけの大したことない存在だったんだなと納得です。ソーン凄いよ。セルフカバーは大坪さんか、μで出たら嬉しいな。仕事終わりの真夜中の車で聴くのが気に入っています。
「歪な幸福の形」って前作のDistorted†Happinessのこと…?前作は「望み」今作は「後悔」と色んな視点から君や、世界やアイツへの愛憎を曲にしている世界観・作風なんですかね。辛い。けど人気は出ると思う。
君が生きていたくないならいっそ君と最期を遂げたかった、君は何度妄想してやり直しても僕を見てはくれない、君に選ばれただれか(卑怯者と書く)は何もしないで見送った。叶わない願いと、諦められない想い、そして思い出すら薄れてしまうのかも知れない恐怖。もうこの人内心ぐっちゃぐちゃです。何も変わらず、その日を迎えない箱庭に閉じ込めて欲しいのに、作った本人は夢(メビウス)に溺れきれないとかいう不幸。行方不明扱いですが…この世から解き放たれてたら、少しは楽になれるんでしょうか。
SINGI
サカサマの祈りを叩きつけて歌え!
リドゥのテーマであり、リグレットのテーマです。敬愛するsasakure.UKさんが遂にカリギュラに参戦して、しかも作者不明の作品テーマですよ…山中Pありがとう。真偽、審議、掛けてるんですかね。逆から読むとIGNIS(イグニス=火)になるらしいとどこかで見かけましたが、さすがにそこまではしないんじゃないかな。「XXX」はセカイ(世界)かジダイ(時代)かセダイ(世代)に聴こえます。そこをモザイクにした意味は何なんでしょうね…。FBまた出版されるといいな。
一番最初に自由行動が可能になる駅前で、しかも歌付で流れていながら、ラスボス戦でも流れるという…テーマ曲の用途としては最高の使い方です。(最終的に塔でずっと聴くはめになるので洗脳される)
「望みを さあ」のドスの利いた、或いは「気持ちよくなりましょう」のあざ笑うような官能的な声色など、細々とした表現がリグレットの真骨頂を感じます。キイには出来ないその濃やかさとベストマッチなんですよ…。リミックス版のクライマックスに向かう爽やかさと恐らく時計の音も好き。最高のテーマ曲をありがとう。
人見小夜子、どうしようもないのはお前の怠惰だよ!?!?!「実は私もそう思ってたんだ」にぞわっとしました。
「自身に非がある問題とは到底思えない」等の…当事者意識の薄さ、責任感のなさが…何ともいえない不快感を呼ぶキャラクターでした。こんなに口にするのも憚られるほど「バカ」なキャラクターも珍しい。自分の怠惰が半分を占めるほどの人生の駄目さ加減って、かなりマズくないですか?そして、引きこもりから脚光を浴びるまでに、何の努力も苦労も、あるいは責任を伴う決定も、なーーんにもしてないんですよ。最後は帰宅部に殺してくれとぶん投げる。ささらさんが庇わなくて良かったです。
「お前に現実を見せてやる」が、前作は世間知らずな幼いμに世間の地獄を教える意味合いが大きいのかもしれませんが、こちらはこう…人生舐めてる引きこもりに現実を直視させるみたいな意味になってますね。恐らく人によっては地獄でしょうけども。
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随分時間が掛かってしまいましたが、なんとかアップにこぎつけられてよかったーー!
お粗末様でした。Love scope楽しみ。