何食わぬ後悔を 捨てた後悔が 鍵穴を指している
お疲れ様です。夏の繁忙期終わりのご褒美(?)はカリギュラ2にしました。→前回のOD感想
とんでもなくネタバレ有の感想です。
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全体的な話
マイルドになりましたよね!いろんなものが!キャラとか、味方の毒気とかが特に!
取っ付きやすくなったのはいいことですが、どうも厨二成分が足りなくて物足りない感じもします。前作の消化に悪いクズさっぷりを同じランクで引き継いでいるのは恐らくリグレットだけなので、ほんとにまろやかになりました。まあ前回はいろんな刺々しさがあって「好き!」「面白い!」とはちょっと言いづらかったですからね…。大人っぽくなったというか、分かりやすい「トラウマ」やぶっとんだ「キャラクター」が角を落としてより等身大的になったとも言えるかも。
世界コンセプトが「後悔をやり直す」だし、父が子を想って作ったコンサートホールなので、あんまり変な奴は入って来ないのかも。琵琶坂さんも田所さんも後悔しないでしょ絶対さあ…。だからかなり治安が良いんでしょうね。チンピラくらいしかいませんし、人が何度も飛び降りるタワーもないし、大変平和です。
バトル周りは本当にマシになりました。アクションモーションは相変わらずあまりスタイリッシュではない(開発ブログのイメージ絵はいい感じなので、モデルワーク周り…低予算なんでしょうかね…)ですが、少なくともイベント中にキャラが地面に埋まってるとかは無くなりました。あとアニメーションもなくなりました。半端なクオリティのもの入れるくらいなら、他に予算とリソース回した方がいいので真面目に賛成。
ストーリーがそもそもかなり進めやすくなったと思います。オートバトルが優秀になり、エンカ率もぐっと下がり、マップの無限回廊感もなくなりました。ちゃんと建造物をしている…。
スティグマの説明で「誰かの心残り」を身に着けて自分の心を強化する→性格が変わってしまう/それって怖いことだよねという、ある意味当たり前なことをきちんと描写してくれたのが好きです。ただの装備アイテムならそのままでもいいのに、ちゃんとしてくれたっていうのが嬉しいんですよね…。ごっこ遊びに興が乗ります。性格が変わるほどではないけど、「おや?」と思うくらいには別人みたいなことをするってことじゃないですか。ありとあらゆるシチュエーションで使えますよこれは…。
主人公
見た目は男子は無印OD派、女子は2が好きかな…?ボーイッシュ過ぎないとこが可愛いです。2男子の方は人畜無害な感じであれはあれでよしです。黒髪好きなのでそれだけで両方ポイント高。イベント中の選択肢もまろやかな感じになりましたよね。
女主で「将来のことを考えると怖いんだ」「自分が何をしたいかわからない」「何をしてもうまくいく能力が欲しい」でした。前回と別な風にしたくて適当に決めた選択肢から、つじつま合わせに決めた設定→
中身空っぽ、虚ろな人間性が内側から侵食してきて、取繕っている外面すら内側の空虚に飲みこまれて、消えてしまいそうな焦りと不安感を抱いています。今回はそういうことにしました。しっかり決めているわけではないのですが、「自分で決めなかったこと/周囲の声や常識などに惑わされて、偽物の決定をしてしまったこと」で自分の中身に自信がなくなってしまったとかかな~と考えています。
今回は吟を筆頭に主人公の心に寄り添おうとしてくれるので、裏切りルートは必要ない感じでしたね。前の帰宅部は笙吾率いる古参組とも馴染めず最近入部の勘違い&盲目的に慕ってくる組に辟易してもおかしくない、なんとも言えない疎外感があったので…。今回吟に助けられるところから始まって、あくまで「普通の子」感が最後までちゃんと生かされていて良かったです。君の心は救われたかな。部長にしては影が薄くないか…?と思ったりもしましたが、よく思いだせば部活のキャプテンなんて「一番強い」で決定していましたし、精神的なしっかり者はまた別にいたりとかもありましたね…。
帰宅部
帰宅に対してゴリゴリではないので「目的のための共同体」感は薄れ、協働することで帰宅に向けて前向きになっていく、部活…青春感が増しマシになりました。悪の組織じゃなくなったのが、無印との一番大きな差だと思います。全体的にお花もメジャーになって、キャラメイクも売れ線な感じになったような…ならないような…。つるむのが目的なところがあるので、部内であまりグループっぽく分かれていないのも面白いです。連帯感が強く見えるのは、個ありきだから?
花はイラストと写真をにらめっこした暫定のものです。前はいつ頃情報出たんでしたっけ?
主人公:林檎「優先」「好み」「選択」(実)「誘惑」「後悔」
パーティ組むのは主人公…好み、贔屓、選択、選ばれた人と選ばれなかった人。そして実った先にある誘惑と後悔…?
何をどうしても過去に対して「こうしておけば良かったかな」と想起するのはやめられないと思うんです、人間なので。だからこそ後悔はないと言っても、リドゥはどこまでも誘惑の世界。SINGIめちゃめちゃ良い曲ですよね…。誘惑されたのは、後悔したのは誰なんでしょうか。主人公?キャラクター?プレイヤー?時々出てくる倒錯的なメタが堪らないです。
二次創作脳的に言えば、主人公が「俺/私が食べたいでしょう?」と誘惑の知恵の実を自覚的に唆す構図が美味いなあと思います。
無印は主人公が強すぎて最終的に仲間不要の1人パーティだったので今作はバランスよくなったなあと思います。またオートの主人公はちゃんとカウンターを狙う打ち上げ上手なので空中特効ののとぎんと相性がいいですね。覚える技がまんべんなく多いので、敢えてオートにして主人公をサポートするように吟を動かすのがお気に入りです。マニュアルの主人公はドレッドノート+かアンダーテイカー+で殺られる前に殺る脳筋スタイルになってしまうので、戦闘に慣れるとちょっと退屈だったりします。
能登吟:薔薇(青)「夢かなう」「不可能」「奇跡」「存在しないもの」
ヒールと青薔薇が咲いている時点でなんとな~~~~~~く「この子は性別に関わる何らかの理由で現実には存在しないんだろうな」という予想をさせてくる、分かりやすいというか、でもその内実と地雷は分かったようで分からなかった、「表面的に理解される」苦しみ、誤った理解、「もしくは心に土足で踏み込むような理解に苦しんでいく」カリギュラ2を体現したようなキャラクターでした。安易に恋愛に走らない/走れない、ヒロイン枠に押し込めない、能登吟という「相棒」あるいはラベリングできない独特のキャラクターとポジションが、好きにならない訳がない。君の慟哭に貰い泣きした。今作一好き。
詩歌という言葉が「詩歌を吟じ味わうこと」という意味を持つので、『詩歌』を形作り、謳うのは『吟』なんだなあ、能登吟は能登詩歌で、どちらが本物、母体ということはない、だから分離させようとすることそのものがナンセンスで、不健康なあってはならないこと…ってことで合っているんでしょうか。ジェンダー問題は最近ずっとある種のムーブメントでありながら、「オカマ/オネエキャラ」「ボク/オレっ子」「男装キャラ」など、ある意味キャラクターとして確立されるうえで人間性を失ったフィクションの世界では禁忌だったのでは…ないかと…。よく手を出した、そういうとこがさすがカリギュラ。
キャラエピ後に見ると、そう言われると顔立ちが女性っぽく見えなくもないような…?別に可愛い系じゃないけど、照れた顔が愛しくて、お化け屋敷でぐっずぐずになって面白可愛いし最終的に「わっ…僕を」って一人称がぽろりしそうになってるのが愛おしくてたまらない。キャラエピ最後の3択がどれも訊きたいけど全部地雷に見えてセーブアンドロードの大切さを心に刻みながら全部確認しました。
私(北山)が君を初見で「見た目は好きだけどあんまりカタルシスエフェクト(精神)が男っぽくなくて好きになれないかも」と思って本当にごめん。君は生きていないから私の勝手な認識と疎外と嫌悪に気付かないけど、生きている吟はこういう小さな失望に傷ついては器用に「望まれる誰か」を目指そうとしていたのかな。そんなことを25年繰り返していて、君の傷はたかが数か月の夢では癒えないかもしれなくて、変わらず現実は地獄で、それでも君は「帰る」と決めたその姿は勇敢で誰よりカッコよくて、憧れました。ごめんね、ありがとう。
好き過ぎて後半ずっと操作キャラにしてました。単純に死にやすいし火力が低くてトリッキーなのでオートにすると活躍させきれないのも事実。カタルシスエフェクトは精神の力なので…君の消耗具合は何も間違っていないんですが、それでも戦おうとするのが勇士たる所以なのかもです。技名の元ネタはアメコミシリーズ(スパイダーマンとアベンジャーズしか知らなくて分かりませんでした…)だそうです。ダンピールレイヴはエモ。垂直180度脚上がっててビビりました。異常にこれだけ火力が高い。ダンピールってヴァンパイアと人間のハーフなんですね…「半分」というところに引っ掛けて「レイヴ」は一晩中音楽をかけたドレスダウンパーティー、狂乱、「自分に嘘をついて無理矢理盛り上がる」…完全に吹っ切れた訳ではなくとも、その葛藤と乱降下を繰り返す不安定な様すら強さに変えたってことなんですかね。格好いいよ。
鍾太:セイヨウヒイラギ「神を信じます」「慎重」「予見」など
予見…が過ぎると優柔不断になるのかもしれません(?)守護者というか保護者というか、元の職業は割と早い段階で目星がつきました(さすまたとか、「確保!」とか)。正義という何とも曖昧な概念を信じている様はある意味目隠しをした妄信的にも思えますが、それも一種の強さの源だと思う訳です。信じられない人は一生無理なことなんでしょうし…。最終的に「だめな俺を助けて生きてください」みたいな結論をするっとくれるのが、恰好悪いけど、生き汚くて泥臭い、開き直った大人の恰好良さだと思います。劉都の人生にいい影響を与えてそうなダメな大人その1。さすまたアタッカー、いい活用法を教えて欲しい。
劉都:ナデシコ(白)「才能」「器用」
かわいい男の子と生意気なクソガキを半端に混ぜ込んだ…この…絶対売れ線キャラを作ってやらないぞというPの強い意思を感じます。キャラエピ最後の「お姉ちゃん」ですべて帳消しにしてしまった己の単純さが恨めしい。最後のドクトル・クランケ戦後の啖呵がキラキラで強くて、希望を感じます。いい子だね。劉都の成長を感じたのが、ささらさんに「そこで微笑んでくれるだけで安心出来る存在」と伝えられたことです。戦闘効率だけがすべてじゃないって、理解して伝えられたのが嬉しい。その後の「抱っこしてあげようか」「やめてくれ、思春期だぞ」が可愛くて笑いました。デバフがもっぱら吟の担当なので、あんまり戦闘で出番がないのが惜しい。
小鳩:ポピー(ピンク)「忘却」「眠り」「恋の予感」「陽気で優しい」
一番何の花だかわからない…ケシ坊主みたいなのも一緒に生えているので、多分…紫のポピーってあるんですかね?でも花言葉があまりにぴったりなので、出来たらポピーであって欲しいです。エフェクトで角が生える表現を「怒髪天を突く」と表現している方がいて、膝を打ちました。ODの因果系譜にいなかったので、よく分からない性癖を抱えていなくて良かったとほっとするような、残念なような。
ナンパ野郎だけど、男の後輩を可愛がり、誠実で、照れ屋で、ちょっと卑屈で、子供っぽいところがきゅんと…する…でしょ…!顔も好き。ちょっと隈の濃い顔が好きでウィンドウに出てくるたびにじっと見つめてしまいます。
思ったより後半女子扱いされない件。割と早い段階で女子→部長と分けて考えているのかな~。女子は好きだけど部活が楽しい、ライバルとして認めあうのが楽しいって気持ちが前に出るのがあまりに高校生男子でちょっと笑っちゃいます。失った時間を取り戻している最中なんだなと…。劉都の人生に(略)その2。QPに煽られて逆上したのは職業と年収、特に将来性という、意図せず永遠に失ってしまった、手に入れられなかったものを「それだけが肝心」とばかりに要求されて、小鳩の優しさや楽しませようとした時間に価値を見出して貰えなかったからですかね、どうでしょうか。初期の楽士戦は特に、再プレイでお互いどれだけ地雷を踏み抜きあっているかを確認したいかもです。
今回範囲攻撃があまりない(気がする)ので結構最初からモーニングスターをぶん回して頂きました。当たらないけど。吟とは逆に操作キャラにしても攻撃モーションが長い上に当たるか分からんのでずっとオート。クイックシルバー+で出血付与バフかけつつアイアンピアス+で高速打ち漏らし処理コンビ。最終的に部長(カウンター・ヒットアンドアウェイ)、吟(デバフ・カウンター後追撃・道具使用)、二胡(ヒーラー・バフ・道具使用)だったので、小鳩先輩はアタッカー兼タンカー(そこまで防御が硬い訳ではないのに)として一番多く蘇生されました。ごめん。
切子:サクラソウ「初恋」「憧れ」
多分。花言葉はアイドル時代にちなむ…と見せかけて、キャラエピ最後の「今日もみんなのために頑張るぞーーー!」という、心の底から「アイドル」みたいな台詞を吐いた、その心に由来していたらいいな。今回の「偶像」は「信仰」なので、アイドルはあくまで憧れであり、職業であり、人間であると定義されました。(だから「人間だと知ってしまった」パンドラと「最初から人間だった」切子は分かりあえない)
パーティに近距離アタッカーが多いので、あまり活用出来ませんでした。多分二胡と組ませると相性がよさそう。
ささら:ポインセチア「祝福」「幸運を祈る」「私の心は燃えている」
見送る側として、達観しているような、ある意味自分勝手で頑固な人。困ったおばあちゃんだけど、憎めないからもっと困ってしまう。スカートがめちゃめちゃ朽ちてセクシーだけど、そこはかとないカーチャン・バーチャン感がそう思わせないのは凄い。因果系譜をよく見たら鐘太と小鳩(とクランケ)と同じクラスでした…。天然ボケボケ美少女として3年間確立された何かが3年男子勢とのやり取りから見れるのが面白いです。
結構後半まで回復タンカーとして活躍していたのですが、パンドラ再戦あたりでタンカーとヒーラーを分けないと厳しくなり、二胡と交代しました。「老兵は死なず」かっこいいです。長生きしてね。
二胡:ニリンソウ「ずっと離れない」「友情」「協力」
後ろのアイツも(予想ですが)花言葉も、キャラエピ全解放後スキルも怖くないですか?!お化け屋敷が好きな一織はそういう系なんですかね…オカルト少女的な…。「異檻」と「一織」を掛けてくるし、明らかにそれまでのスキルと雰囲気が違い驚きました。健気なのは間違いない。この子も「心に土足で踏み込むような理解」への苦しみを吐露していました。私の悲痛も覚悟も後悔も分かったように言わないで、ラベルをつけて解決した気にならないで、そう叫ぶ繊細な心になにができるだろうと悩みながらのキャラエピでした。現実は変わらず、大切な家族は戻って来ないけど、戻ると決めた君を尊重したい。でも辛くなったら思いだして欲しい、そういう仲間の在り方は前を向くために絶対必要なことでした。ギュラ2の光成分はここに尽きます。
茉莉絵:スズラン「幸福の再来」「再び幸せが訪れる」
スズランにしては大きいような…?ウィキッド→小説→2と続投し、正直運営のお気に入りなのかな…と苦手にしていました。(2は物語上のキーパーソンとして納得したのでもう大丈夫です…そういう役割は普通主人公になるのではないかとも考えたのですが、生死を問われる人と生死を判断する人が同じ場合、主人公は選択によって自害することになるわけで…後悔以外の何もないですね…リ・リドゥは作られず、一生後悔するしかない…)
ウィキの時はナイフと手榴弾だったので、それがわざわざ二丁拳銃に変わったのはどう考えても彼/彼女(或いはルシード)の影響…だったらいいな!できればルシードがいい。そしてルシード/部長が現実で待っていてくれていたら、ベタでも、キュンとします。
小回りと1ターン殲滅力を重視したパーティの時は部長と茉莉絵2人です。モーションが好きでよく使っています。
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あまりに長くなったので、学士や楽曲についてはまた別に書きます(多分)